私の血のつながらない本当の姉のこと
今日は、先ほどセックスをした後、微睡んでいたら久しぶりに夢に出てきたMさん(以下お姉ちゃん)のことを書こうと思う。
お姉ちゃんと私の出会いは某病院の閉鎖病棟だった。
私は自傷とPTSDによるフラッシュバックからの幻覚、幻聴が激しかったのでその病院の閉鎖病棟に措置入院させられた。
そこは古い建物だった、窓は4、5センチしか開かなく、廊下への鍵も常に施錠されていた。
1日に6回だけ外の空気を吸うことができる時間が設けられていた。
私はその時間になると、外のベンチに腰掛けて木々や花々を見つめながらぼーっとするのが日課で、その日もぼーっと花壇の花を見ていた。
すると「ここ、いいかな?」と言って隣に20歳くらいの女の人が腰を掛けた。
それが、お姉ちゃんだった。すごく綺麗で、線の儚げなひとだった。
私たちはそれからすぐに打ち解け、よく話す間柄になった。私はいつの間にかその人のことをMさんではなくお姉ちゃんと呼ぶようになったが、彼女はそれをすごく喜んでくれて、私のことを本当の妹のようにかわいがってくれた。
お姉ちゃんは21歳で、一昨年までOLをしていたが、去年妊娠して、結婚をしたらしい。
しかし、お腹の子を流産してしまい、田舎の旧家だった夫の実家と折り合いも悪くなり離婚、そのすぐ後に鬱病を発症して、自殺未遂を起こし、ここに入院することになったという話だった。
私はそんな彼女に、いろいろなことを相談したり、教えてもらったりした。
少し経つと、彼女の症状は寛解してきて、開放病棟に移ることとなった。
残念ながら私はまだ閉鎖だったのであまり会う機会もなくなってしまった。
その後、安定してきた私が開放病棟に移るのとスライドするように、お姉ちゃんは退院することになった。私たちは別れを惜しんだが、連絡先を交換し、私が退院したら会いに行くという約束をして彼女は退院していった。
その後2週間ほどで私も退院することになった。未成年である私の身元保証人は祖母だったので、正式には祖母宅に帰ることになったのだが、私はあの祖母からはひどい目にしか合わされて来なかったのでとても憂鬱だった。悩んだ私は、そのことをメールでお姉ちゃんに送るとお姉ちゃんから「うちにおいで」という返信がきたので、退院するとその足でお姉ちゃんのうちへ向かった。
お姉ちゃんは暖かく私を迎えてくれた、しかし、やはり当座の生活費は必要なので、私は普通のアルバイトを探したがなかなか難しそうだった、そこで私は前のようにセックスワークをしようとしたが、お姉ちゃんはそのことを聞くと私を初めて叱った
「あなたは私の妹なんだから、変に気を使ったりしないで、おとなしくお姉ちゃんに甘えていればいいの!私が何とかするから!」
私の目から出た涙は止まらなかった、私はお姉ちゃんと一生一緒にいようと思った。
それからは、狭いアパートでのお姉ちゃんの障害年金と貯金を少しずつ切り崩しつつの慎ましやかだけれども、私の人生でもっとも幸せな1ヶ月半だった。
私たちはもはや本当の姉妹よりも、姉妹だったかもしれない。
その幸せな毎日が変わったのは、お姉ちゃんがファミレスでアルバイトを始めるようになって、あの男と出会ってからだった。
お姉ちゃんは近所の某ファミレスで働き始めた。
案の定お姉ちゃんは、男性社員のおじさんに目をつけられた。
お姉ちゃんはその社員の告白を拒否した。
まもなく、セクハラ、パワハラが始まった。
お姉ちゃんは私には事情を話さず一人ですべて抱え込んでいたようだった。のんきな私はそのことに気づかず、お姉ちゃんに買ってもらった参考書で高認をとるために小学校の範囲からの復習をしこしことしていた。
お姉ちゃんはバイトをやめた。
そのへんからお姉ちゃんは少しずつおかしくなっていった。
私のために買ってきてくれたぬいぐるみに、自分の流産した子につけるはずだった名前をつけて独り言をぶつぶつ呟いていたりしていた。
私はお姉ちゃんを一人にしておくのは心配だったのだが、お金の心配もあったので、デリヘルで働くことにした。
忙しさの中で、私はお姉ちゃんと生活リズムもずれてしまい、あまり話さなくなってしまっていた。
そんなある日、深夜にうちに帰ってくるとバスルームでシャワーの音がしていた、お姉ちゃんが深夜にシャワーを浴びることはあまりないので珍しいなと思いつつも出てくるのを待つことにした。
しかし15分経っても出てこない、しかもお姉ちゃんの動いてる音がしないことに私は気づいた。嫌な予感がした。私は急いでバスルームの扉を開けた。するとお姉ちゃんは腕を包丁で思いっきり切ってシャワーに当たりながらぐったりしていた。しかも周囲にはウィスキーの空き瓶と処方されてるお薬のシートが大量に散らばっていた。私は急いでお姉ちゃんのノドに手を突っ込んで吐き出させようとしたが、なかなか吐き出さない。
慌てながらもなんとか救急車を呼び、お姉ちゃんの体をタオルで温めつつ作業を続けた
お姉ちゃんはなんとか吐き出してくれたが意識が戻らない。
私は何度も何度も喉の奥に手を入れながら声をかけた。しかしお姉ちゃんの意識は戻らない。そこにやっと救急車が来て、お姉ちゃんは病院に緊急搬送された。私もついて行ったが、病院についてICUにお姉ちゃんが運ばれたあたりから記憶がない。
恥ずかしながら書きながら涙が止まらないし
長くなるので次回に続きます。